■Thoughts about ”Gift" (English)
形のないものに値段をつけることの難しさを思います。
関係者の交通費、会場使用料、その他備品や道具や材料の購入費用といった「確実にかかっている経費」はありますが、それでもやはりイベントのようなものは、金額によって価値を決めにくいものであると感じます。
主催者の思い、参加者の思い、講演者、出演者の思い。
ものに値段を付けて販売をすること自体が間違っているということではなく、
そしてそもそも、「価値をはかること」や「等価交換」をしようとする時に、常に違和感というか「しっくり来ない感じ」が生まれることも事実です。
ワークショップ、イベント、講義、講座。
形のないものに値段をつけることの難しさを思います。
関係者の交通費、会場使用料、その他備品や道具や材料の購入費用といった「確実にかかっている経費」はありますが、それでもやはりイベントのようなものは、金額によって価値を決めにくいものであると感じます。
主催者の思い、参加者の思い、講演者、出演者の思い。
それぞれに違いがあります。
期待するものも違うし、体験することも違うし、受け取ったものの質も違います。
ものに値段を付けて販売をすること自体が間違っているということではなく、
難しさを感じながら「ま、いっか」とするよりは、難しさを感じるなら、その感覚を麻痺させずに持っていたいと思います。
そしてそもそも、「価値をはかること」や「等価交換」をしようとする時に、常に違和感というか「しっくり来ない感じ」が生まれることも事実です。
そもそも等価交換なんて可能なのだろうか。
ものの価値を測って、同じだけの価値のものを渡すなんて可能なのだろうか。
そもそも「価値を測る」ということを、自分はしたいのだろうか。
ということを思います。
日々、これらの問いと共にありたいと思います。
価値判断には必ず主観が伴います。
価値判断、評価は、常に移ろうものです。
だからこそ、思考停止せず、当たり前や普通、一般的、というカテゴリーにはまることなく、常に問いを持って向き合っていたいと思います。
そして何より、人間以外の生き物のあり方、生態系や自然界、宇宙に生きる生命同士の関係性から学びたいと思います。
太陽は光熱費をとることなく照らしている。
風も、海も、川も、経費や見返りを考えて生きているわけではない。
蜜蜂は受粉を助けてもらった花々からギャラをもらうこともない。
どちらにとって損か、得か、という事を越えた世界が広がっている。
惜しみなく分かち合う。
その自然体。
・・・
できればワークショップやイベントの参加費は、自由設定にしたいと思っています。
その理由は、選択の自由を尊重し合いたいということにあります。
前述のとおり、ワークショップやイベントは僕にとっても、固定した価値をつけにくいものです。
僕は毎回、「参加される皆さんが、この会に何を望んでいるのか」を事前に感じ取りながら準備をしつつ、当日のみなさんの自己紹介や「望んでいること」を聞いたり察したりしながら、それらに応じて、自分にできる最大の貢献をする努力をしています。
僕のしようとしているこの行為に、僕自身、値段をつけるのはとても難しいことです。
場に貢献する=価値ある時間を作る、という行為自体が手探りのチャレンジなので、その価値を「測る」という行為自体不可能なのではないかとも思っています。
場を成立させる上で、僕は見返りを求めるという感覚や、等価交換で何かを提供するという感覚よりは、皆さんが求めるもの、自分が提供できるもの、貢献できること、に忠実でありたい、というスタンスで向き合っています。
そんな中で皆さんに期待するのは「等価交換」的な感覚で参加を決めるということではなく、こういった取り組み、こういった活動に対して、どれくらいのエネルギーを差し出したいと思うのかというところを判断してもらうこと。
価値と価値の交換ではなく、未来や希望、それぞれの思いや行動に対して、どんなギフトを手渡したいのかという事に意識を向けてつながり合いたい。
あくまでも、誰との関係も、思いや愛を差し出し合う関係でありたいと思います。
等価交換、値踏み、見返りやフィードバックを期待したやりとり、ではなく、純粋に「場に貢献したい(世界に貢献したい)」という気持ちを持ち寄りあって、お互いの活動を継続していきたいと思っています。
そして皆さんには、自分を育てることや成長させることプラス、こういった場そのものを育てること、こういった場を成長させることに対してエネルギーを送るような意識で、参加費を決めて支払っていただけたらと嬉しいです。
私たち個々は、あくまでも「場」の存在によって成り立っています。
家、イベントスペース、町、村、コミュニティ、島、地球、私たちを生かしてくれている場、私たちを繋いでくれている場、私たちを出会わせてくれている場への愛と感謝。
このような色々を考えて実行することは難しいことかもしれませんが、何も考えずに得られる「簡単さ」や「便利さ」がもたらした依存的で思考停止した社会を変えていくには、自分たちの意識を、手間暇かけて、意識的に、ひとつひとつと関わっていくあり方へのシフトが大切だと思います。
変化を望んで待つのではなく、望む変化になっていくこと。
その冒険を、共に楽しんでいけたら嬉しいです。
最後に、こういった考え方を進めていくきっかけをくれた友人の記事を紹介します。
■tokyo urban permaculture ソーヤー海「費用の理念」http://tokyourbanpermaculture.blogspot.jp/p/blog-page_01.html
■「稼ぐことから自分を解放しよう! ソーヤー海さんに聞く、“ギフト経済”の次にある、“ギフトエコロジー”の世界」
http://greenz.jp/2015/07/16/giftecology/
■「場」について考える参考記事
冨貴工房ブログ「参加申込みとキャンセルについて」
http://fukikobo.blogspot.jp/p/policy.html