2019年3月29日金曜日

保養とごはん①


昨年、3回にわたって行ってきた勉強会『保養とごはん〜家族を放射能から守る食事法〜』の文字起こしが完了しました。

この勉強会の参加者の中から数人の方が手を挙げてくださり、協力しあって文字起こししてくださいました。

教える人と教わる人という関係ではなく「一緒に放射能対策を学ぶ者同士」としての共同作業は本当にありがたいものでした。

本当にありがとうございます。

これからこの原稿を、加筆修正しながらブログに(どんなペースになるかわかりませんが)連載していって、いずれブックレットなどにできたらと思っています。


第一回: 『陰陽五行で見る放射能と食事の知恵』

自立は孤独から生まれない

海旅Campという疎開保養キャンプを2012年から6年やっていて、今年7年目を行おうとしています。
「ひとつのおさら」の西村和代さんとは東京で出逢いました。

とあるイベントで放射能や被ばくについてのとらえ方や、やろうとしていること、やっていることなどを話したら、出逢ったその日に今日のイベントをやろうと言ってくれて、それも相当明確に。

参加費は1万円くらいで、被ばく対策、料理や考え方の勉強会なんだけど、そこで集まったお金を海旅Campの活動費にできたらいいじゃないかと。

その提案を僕はすごく良いと思った。

今は放射能にすごく関心の高い人でも、自分ひとりのことにしてしまう。

それを人に広めたりしない。

けれど、ここは非常に重要なポイントなんだけど、知っている人と知らない人との間で、ほぼ必ず何らかの溝が生まれる。

言っていいのだろうかとか、炎上するのではないかとか、バッシングされるのではないかという心理的ブレーキが働く。

わかってほしいという思いが強いからこそ、その思いを強く後ろに引きすぎるか、強く前に出しすぎてしまう。

そして、気後れしてしまったり、逆に言い過ぎてしまったりする。

そして溝が深まる。

なぜ大事なことを伝えようとした時に、相手に理解されないとへこむかというと、自分がそのことを大切に思っているから。

自分が大事にしていることをいかに守りながら、オープンにするかは、生きる上で非常に重要なことだと思います。

なぜなら、自立は孤立からは生まれないからです。

孤立しないようにすること。

価値観の違う者同士が共生することや、学んだことを周りに広めることは、生きる上で大事な知識をたった一人で持つことよりも大切なことだと思います。

一人で健康オタクになっても仕方がありません。

自分ひとりでは衣食住の全てを作れないんだし。

僕たち人類は今、コミュニケーションスキルを学んでいる最中だと思います。

知るだけではなくて、自分が何かを知ることが誰かの役に立つというつもりで一緒に学んでいきたいと思います。

そういう意味でペイフォワードというか、「誰かにカンパする」という意識の人を集めるというスタンスで勉強会をやろうというのが、和代さんからもらった提案でした。

それで僕もやってみようと思えたので、チャレンジすることになりました。


「証拠を出せ」におびえることはない

放射能とは何かとか、被ばくに対してどういう対策ができるかについて、みんなでもっと堂々と語っていきたいと思います。

たとえば今は、薬機法などの制限があって語る人は少なくなりましたが、昔から梅干しはお腹の薬と言われています。

それに対して「エビデンス(証拠)を出しやがれ」という人はいたかもしれないけれど、「ほっといてくれ。うちはこれでやってんだよ」って言って、みんな梅干しを食べてきました。

母ちゃんが「熱が下がらなかったらキャベツかぶっていなさい」と言って、「エビデンスはどうなんだ」と息子が言ったとしても、「うっせえ、かぶっとけ」と言ってかぶせてきました。

昔からずっと続いてきた日本の伝統的な民間療法は、みなそういうものでした。

そこに科学的エビデンスが乗っかることで、より広まりやすくなっていくだけで、エビデンスが絶対条件ではありません。

科学的エビデンスの前に、実践の積み重ねがありました。

科学は、実践を裏付けするための補助機能を担っていました。

それが今、被ばく対策となると、「証拠を出さなければ実践もしてはいけない」くらいのバッシングがネット上を飛び交っています。

彼らの多くは「放射能対策は必要ない。なぜなら放射能によって健康障害は生まれないのだから」と言いたいのだと思います。

これは、洗剤を売りたいメーカーが「洗剤なしで洗濯するな。洗剤なしで洗濯できる証拠を出せ。」と言っているようなもので、スルーしたほうがいいと思います。

スルーはボイコットと一緒です。

社会を変えるためのあまたある手法の中の一つは、ボイコットです。

反応することで相手にエネルギーを送ることになる。

そうすることで、望まない形で相手は力をつけていく。

ほうっておくことで、相手にエネルギーを送らないこと。

そうすることで、エネルギーをもらえない力は弱っていきます。

僕たちはすでに被ばくしている。

被ばくから生き延びようという気のない力に付き合っている暇はないのです。


自分で実践しエビデンスをつくる

今のところ、まだ放射線防護学は100年も経っていないくらいの、日の浅い学問です。

だからお互いに試していきたいのです。

「私は味噌汁を飲んで試してみたいんだよね」というくらいのノリで、実践をする前からあまり議論に乗らないでほしい。

実践は継続が命です。

淡々と被ばくと向き合っていくこと、淡々と実践を積み重ねていくこと、放射能から子どもたちや自分たちの体を守りたいと思う人が、まず自分でちゃんと経験を積んでいくこと。

その経験を分かち合うこと。

そして、今の時点でわかっていることもあるので、それをちゃんと学んで、実践してどうだったかということを自分の体を使ってエビデンスを作っていきたい。

なぜなら、エビデンスとは実験の結果だからです。

自分がマウスになったつもりで、自分の免疫力を上げてみるというのをやってほしい。

今回は、そのお誘いです。


先輩の言葉を血肉にする

今回、僕は参考文献をたくさん持ってきました。

なぜかというと、誰が言っていたかわからない話をするのはフェアではないと思ったからです。

「冨田さんが言っていたこと」だけでは、事実としてぼやけ過ぎています。

だから、今回の話の元ネタを持ってきました。

これらの本を僕は何度も何度も何度も読み返しました。

1回読んだだけで「わからない」という人がいますが、「わかってたまるか1回で!」と思っています。

僕はこれらの本を場合によっては10年以上読み続けています。

だから、本はボロボロです。

生きる上で大事なことは一生を通じて学び続けたほうがいいし、1冊の本を一生読み続けてもよいと思います。

被ばくのことは、そのくらい大事なことです。

これらの本は、最初は訳が分からないかもしれません。

じゃあ誰が粘り強く読むのでしょう?

それも人任せでいいのでしょうか?

僕は、それは嫌なんです。

被ばくのことを、次の世代にたらい回しにすることは絶対したくないんです。

次の世代はこれらの本を読まなくてすむように、僕らの世代で引き起こしたテーマについては、僕らの世代でしっかり咀嚼して、肚に落として、肚を決めて向き合っていきたい。

だから、何度も何度も読んで、自然に自分の言葉になるまで粘ります。

今日、僕はこれらの本を朗読したりはしません。

けれど、僕なりにこれらの本から学んだことはお話します。

そして、元ネタは紹介します。

皆さんにも自分の言葉で話してほしいから。

もちろん僕の言葉をパクってもらっても、自分流に変えてもらっても構いません。

学問とはそういうふうに育てていくものだと思っています。

一緒に育てましょう。

2019年3月28日木曜日

春の養生メモ2019

春の養生メモ2019。

気温があがってきた。

日照時間が伸びてきた。

昼のほうが夜より長くなった。





大腸の腸壁、その絨毛の表面、リンパ管、毛細血管などに溜まっていたものが流れ出してくる。

例えば脂。

「油脂」という言葉の中の、「油」は常温で液状のもの。

低温圧搾の胡麻油、酸化する前のヘンプオイル、亜麻仁油、オリーブオイルなどは、冬の間も液状だったので、詰まっている事は少ない。

「脂」は、高温だと液状だが、低音だと固まっているもの。

チーズ、バター、牛乳、マーガリン、トランス脂肪酸、動物性脂肪分。

タンパク質の周りの脂の影響で、高タンパクな食事になると、諸々の管はつまりやすくなったりする。

つまりやすい管の中を運搬するのは疲れる。

管が詰まると、冷えたりもしやすい。

冷えて低温になると、微生物達の働きもゆっくり。

体内の乳酸菌や酵母の働きもゆっくり。

体内の酵素反応もゆっくり。

体内における「何かをつくる働き」や「何かのバランスをとる働き」を司る化学反応である代謝は、気温が上昇することで盛んになっていく。

今、管に詰まっていたものや、固まっていたものが、気温の上昇とともに溶け出してきている。

そして、リンパ管などをつたって、外に出ようとしている。

咳、痰、鼻水、うんち、おしっこ、汗、呼吸によって。

そして、体温上昇による酵素活動の活性化によっても、それが促進されていたりする。

肝臓は酵素がめっちゃ働く、化学工場のようなもの。

ここで、血を精製する。

汚れた血は肝臓できれいにする。

酵素たちが肝臓の中で、そのような仕事をしている。

冬にかたまっていたものが流れ込む春の肝臓は大忙し。

冬の間、体の中の色々なところにあった固形物が溶け出して、肝臓に集まってきていたりする。

毛細血管の先っぽのほうにあったもの、足裏に溜まっていたもの、鼠径部に詰まっていたり、溜まっていたり、固まっていたもの。

それらが溶け出して、肝臓に流れ込み、酵素による化学反応によって、代謝される。

酸化した赤血球を分解して新しく再生したり、解毒したり、酸化を防いだり、酸化還元したり、活性酸素を分解したり、除去したり。

血液のクオリティをあげるために色々な働きをしている酵素たちの作業所のような場所であり、いい感じの血をためておく蔵のような場所が肝臓。

肝臓は血の蔵。

その働きのひとつは蔵血。

肝臓をいい感じの味噌蔵や醤油蔵のようにするイメージ。

肝臓の中でさまざまな酵素たちが盛んにはたらいている。

酵素の無駄遣いをしないでおけば肝臓への負担も少なくてすむ。

目を使いすぎると疲れる。

寝ている間に酵素が作られるので、春の寝不足も負担がかかる。

スマホはほどほどに。

目を使ったら、目を休める。

そのメリハリ。

アルコールやカフェインなどの中の、とりわけ酸化したものや精製されたようなものは、
今の肝臓には負担が大きい。

精製した小麦や精製した砂糖もきつい。

それらは、精製されてギンギンすぎて、分解や変換、排泄までのあらゆるプロセスで体に負担がかかる。

春に伸びてくる野草や菜の花、青い植物の成長点に集まっている乳酸菌や酵素を摂ることは、肝臓にとっての助けになる。

肝の働きのひとつは疏泄。

うるおわして、疎くして、流しだす。

ひとつひとつの管やその中の流れがさっぱりとしていて、潤っていて、通りのいい、というような状態でいられるように、そのはたらきを助けるものと共に春を過ごす。

長ネギ、ノビル、大根おろし、切り干し大根、高野豆腐、わかめ、ふのり、あおさ、祝島のひじき。

大腸をさっぱりさせるもの。

酵素の多いもの。

乳酸菌の多いもの。

腸内細菌や酵素の働きを助けるミネラル群。

海藻、葉物、根物、天然塩発酵調味料、どぶろく、醍醐、味噌、糠漬け。

「よく伸びてきたね」と思わせるような、春の野草たちの中に宿る「はる(張る)」動きを促す力。

水が張る、のはる。

空が晴るる、のはる。

水が潤い、晴れやかな気分になったら、それは春の体と心の到来。

種から芽が張り出す、葉が張り出す、体がのびひろがる、のはる。

体がのびのびしたくなって、走ったり、散歩したくなったら、それは春の心身の代表的な
ありかた。

今は春も半ばの彼岸明け直後。

野を見やると、野エンドウ、姫踊子草、はこべ、芹、蓬。

野草まつり。

あくをとったり、塩で揉んだり、生のまま酵素や乳酸菌や食物繊維を摂取して、春の体の働きを助ける。

そしてすっぱーいのエネルギーをもらって、肝を助ける。

金柑、柚子、ぶんたん、さっぱり、潤う、優しい酸味と甘味の柑橘類。

これらの柑橘が、頑固者の顔をほころばせ、筋肉のこわばりをリラックスさせ、気血水の滞りを潤して流したりする。

心身が、ほどよくゆるむ。

副交感神経のもつ、ゆるめる働きは、腸の働きを助ける。

腸は、副交感神経優位だと、動く。

脳は、交感神経優位で動く。

リラックスすると、腸がうごく。

交感神経優位の、ひきしまるような、ぐっとピントを合わせたり、ぐっと力を入れるような働きは、脳の働きと連動しているし、脳を使う作業をし続けていると、腸の動きが止ま
ったり、肚の温度が下がったりする事にもなる。

柑橘をとったり、呼吸を深く出来るような場所を歩く行為などで、交感神経と副交感神経のバランスをとっていく。

浅漬けは常備しておきたい。

そこに柚子の皮などを入れてもいい。

肩甲骨をほぐしたり、腹筋やスクワットをしたり、1時間くらい散歩したりすると、体の下のほうがあたたまり、上のほうは緩んだり、ほぐれたりする状態になる。

シラスを炒って、胡麻油と合わせる。

シラスの持つ海水の鹹味(かんみ)、天然塩の鹹味の中にあるマグネシウムは腸内細菌の餌でもある。

腸が動き始める今、ヒジキや小魚や天然塩仕込みの発酵調味料と天然の酵素を合わせたものを、主に食べたくなる。

溶かす、動かす、運ぶ、老廃物の解毒、排出、組成、再生、などなどを助ける。

玉ねぎを少しの梅酢と合わせて、リンパの働きを助ける。

体内酵素や菌たちがやろうとしているリンパ系の働きを助ける。

リンパのびっしり広がっている肺、気管、気管支を助ける。

呼吸が楽になる。

鼻づまりが楽になる。

花粉症が軽減される。

蓮根、長葱、シャッキシャキの玉ねぎを、生醤油や溜、梅酢などで合わせてとる。

脂肪を分解したり、浮かせたり、溶かしたり、動かしたりしてくれそうなものを摂る。

自然薯をすって、サッと茹でた蓮根もすって(そうすると超ぬめぬめになる)、それを濃い目のみそ湯で解いて、雑穀ごはんに合わせて食べる。

これ、1000年続く秘伝の養生法なり。

全粒穀類のふすま、食物繊維やケイ素を含んだ皮の部分を摂る。

食物繊維は腸内細菌の餌でもある。

腸内で働きを活発にし始めた腸内細菌達にとっての餌。

大腸で分解できなかったものの一部は、排泄されるのではなく、化学工場、再生工場のような働きを持つ肝臓に運ばれる。

これを、腸肝循環という。

春の忙しい肝に、さらに大腸から何かが送られてくることがある。

そうなると、肝への負担が大きい春になる。

大腸助けて、肝助かるなり。

ライフスタイルを見つめ直すという事もあると思うのだけれど、あまりシビアに捉えず、シリアスになりすぎず、ここまで走り書きしたものの中で、まずは今できる感じのことをやってみつつ、「春の肝を助けてみようキャンペーン」といった感じで一緒にいい春を過ごしたいという、お誘いのような感じも兼ねてのメモです。

肝に負担がかかりすぎないラインを意識しつつ、肝のちからを借りながら、このメモを書いています。

僕は2000年の頃、ぎっくり腰になったり、肝炎っぽい症状が出てりしてたこともあります。

たぶん物心ついた頃から、15歳位まで朝夕食後に気管支喘息のための薬を5錠ずつくらい飲んでいました。

肝と大腸との長いおつきあいの中で、まだまだわからないことばかりですが、摘み菜や発酵食づくりなど、いろいろな人達から教わることは有り難いことばかりです。

また書き足したり直したりするかもしれません。

春の肝臓の働きへのお礼と感謝をこめて。

2019年3月1日金曜日

4月6日養生朗読茶会【公民】4月7日麻麦のみそづくり@冨貴工房

4月上旬に冨貴工房でイベントが2日続きます。

4月6日 養生朗読茶会の二回目。
今回のテーマは公民。

4月7日 麻麦のみそづくり

です。

ぜひご参加くださいませー。

https://fukikobo.blogspot.com/2019/03/4647.html