春の養生メモ2019。
気温があがってきた。
日照時間が伸びてきた。
例えば脂。
「油脂」という言葉の中の、「油」は常温で液状のもの。
低温圧搾の胡麻油、酸化する前のヘンプオイル、亜麻仁油、オリーブオイルなどは、冬の間も液状だったので、詰まっている事は少ない。
「脂」は、高温だと液状だが、低音だと固まっているもの。
チーズ、バター、牛乳、マーガリン、トランス脂肪酸、動物性脂肪分。
タンパク質の周りの脂の影響で、高タンパクな食事になると、諸々の管はつまりやすくなったりする。
つまりやすい管の中を運搬するのは疲れる。
管が詰まると、冷えたりもしやすい。
冷えて低温になると、微生物達の働きもゆっくり。
体内の乳酸菌や酵母の働きもゆっくり。
体内の酵素反応もゆっくり。
体内における「何かをつくる働き」や「何かのバランスをとる働き」を司る化学反応である代謝は、気温が上昇することで盛んになっていく。
今、管に詰まっていたものや、固まっていたものが、気温の上昇とともに溶け出してきている。
そして、リンパ管などをつたって、外に出ようとしている。
咳、痰、鼻水、うんち、おしっこ、汗、呼吸によって。
そして、体温上昇による酵素活動の活性化によっても、それが促進されていたりする。
肝臓は酵素がめっちゃ働く、化学工場のようなもの。
ここで、血を精製する。
汚れた血は肝臓できれいにする。
酵素たちが肝臓の中で、そのような仕事をしている。
冬にかたまっていたものが流れ込む春の肝臓は大忙し。
冬の間、体の中の色々なところにあった固形物が溶け出して、肝臓に集まってきていたりする。
毛細血管の先っぽのほうにあったもの、足裏に溜まっていたもの、鼠径部に詰まっていたり、溜まっていたり、固まっていたもの。
それらが溶け出して、肝臓に流れ込み、酵素による化学反応によって、代謝される。
酸化した赤血球を分解して新しく再生したり、解毒したり、酸化を防いだり、酸化還元したり、活性酸素を分解したり、除去したり。
血液のクオリティをあげるために色々な働きをしている酵素たちの作業所のような場所であり、いい感じの血をためておく蔵のような場所が肝臓。
肝臓は血の蔵。
その働きのひとつは蔵血。
肝臓をいい感じの味噌蔵や醤油蔵のようにするイメージ。
肝臓の中でさまざまな酵素たちが盛んにはたらいている。
酵素の無駄遣いをしないでおけば肝臓への負担も少なくてすむ。
目を使いすぎると疲れる。
寝ている間に酵素が作られるので、春の寝不足も負担がかかる。
スマホはほどほどに。
目を使ったら、目を休める。
そのメリハリ。
アルコールやカフェインなどの中の、とりわけ酸化したものや精製されたようなものは、
今の肝臓には負担が大きい。
精製した小麦や精製した砂糖もきつい。
それらは、精製されてギンギンすぎて、分解や変換、排泄までのあらゆるプロセスで体に負担がかかる。
春に伸びてくる野草や菜の花、青い植物の成長点に集まっている乳酸菌や酵素を摂ることは、肝臓にとっての助けになる。
肝の働きのひとつは疏泄。
うるおわして、疎くして、流しだす。
ひとつひとつの管やその中の流れがさっぱりとしていて、潤っていて、通りのいい、というような状態でいられるように、そのはたらきを助けるものと共に春を過ごす。
長ネギ、ノビル、大根おろし、切り干し大根、高野豆腐、わかめ、ふのり、あおさ、祝島のひじき。
大腸をさっぱりさせるもの。
酵素の多いもの。
乳酸菌の多いもの。
腸内細菌や酵素の働きを助けるミネラル群。
海藻、葉物、根物、天然塩発酵調味料、どぶろく、醍醐、味噌、糠漬け。
「よく伸びてきたね」と思わせるような、春の野草たちの中に宿る「はる(張る)」動きを促す力。
水が張る、のはる。
空が晴るる、のはる。
水が潤い、晴れやかな気分になったら、それは春の体と心の到来。
種から芽が張り出す、葉が張り出す、体がのびひろがる、のはる。
体がのびのびしたくなって、走ったり、散歩したくなったら、それは春の心身の代表的な
ありかた。
今は春も半ばの彼岸明け直後。
野を見やると、野エンドウ、姫踊子草、はこべ、芹、蓬。
野草まつり。
あくをとったり、塩で揉んだり、生のまま酵素や乳酸菌や食物繊維を摂取して、春の体の働きを助ける。
そしてすっぱーいのエネルギーをもらって、肝を助ける。
金柑、柚子、ぶんたん、さっぱり、潤う、優しい酸味と甘味の柑橘類。
これらの柑橘が、頑固者の顔をほころばせ、筋肉のこわばりをリラックスさせ、気血水の滞りを潤して流したりする。
心身が、ほどよくゆるむ。
副交感神経のもつ、ゆるめる働きは、腸の働きを助ける。
腸は、副交感神経優位だと、動く。
脳は、交感神経優位で動く。
リラックスすると、腸がうごく。
交感神経優位の、ひきしまるような、ぐっとピントを合わせたり、ぐっと力を入れるような働きは、脳の働きと連動しているし、脳を使う作業をし続けていると、腸の動きが止ま
ったり、肚の温度が下がったりする事にもなる。
柑橘をとったり、呼吸を深く出来るような場所を歩く行為などで、交感神経と副交感神経のバランスをとっていく。
浅漬けは常備しておきたい。
そこに柚子の皮などを入れてもいい。
肩甲骨をほぐしたり、腹筋やスクワットをしたり、1時間くらい散歩したりすると、体の下のほうがあたたまり、上のほうは緩んだり、ほぐれたりする状態になる。
シラスを炒って、胡麻油と合わせる。
シラスの持つ海水の鹹味(かんみ)、天然塩の鹹味の中にあるマグネシウムは腸内細菌の餌でもある。
腸が動き始める今、ヒジキや小魚や天然塩仕込みの発酵調味料と天然の酵素を合わせたものを、主に食べたくなる。
溶かす、動かす、運ぶ、老廃物の解毒、排出、組成、再生、などなどを助ける。
玉ねぎを少しの梅酢と合わせて、リンパの働きを助ける。
体内酵素や菌たちがやろうとしているリンパ系の働きを助ける。
リンパのびっしり広がっている肺、気管、気管支を助ける。
呼吸が楽になる。
鼻づまりが楽になる。
花粉症が軽減される。
蓮根、長葱、シャッキシャキの玉ねぎを、生醤油や溜、梅酢などで合わせてとる。
脂肪を分解したり、浮かせたり、溶かしたり、動かしたりしてくれそうなものを摂る。
自然薯をすって、サッと茹でた蓮根もすって(そうすると超ぬめぬめになる)、それを濃い目のみそ湯で解いて、雑穀ごはんに合わせて食べる。
これ、1000年続く秘伝の養生法なり。
全粒穀類のふすま、食物繊維やケイ素を含んだ皮の部分を摂る。
食物繊維は腸内細菌の餌でもある。
腸内で働きを活発にし始めた腸内細菌達にとっての餌。
大腸で分解できなかったものの一部は、排泄されるのではなく、化学工場、再生工場のような働きを持つ肝臓に運ばれる。
これを、腸肝循環という。
春の忙しい肝に、さらに大腸から何かが送られてくることがある。
そうなると、肝への負担が大きい春になる。
大腸助けて、肝助かるなり。
ライフスタイルを見つめ直すという事もあると思うのだけれど、あまりシビアに捉えず、シリアスになりすぎず、ここまで走り書きしたものの中で、まずは今できる感じのことをやってみつつ、「春の肝を助けてみようキャンペーン」といった感じで一緒にいい春を過ごしたいという、お誘いのような感じも兼ねてのメモです。
肝に負担がかかりすぎないラインを意識しつつ、肝のちからを借りながら、このメモを書いています。
僕は2000年の頃、ぎっくり腰になったり、肝炎っぽい症状が出てりしてたこともあります。
たぶん物心ついた頃から、15歳位まで朝夕食後に気管支喘息のための薬を5錠ずつくらい飲んでいました。
肝と大腸との長いおつきあいの中で、まだまだわからないことばかりですが、摘み菜や発酵食づくりなど、いろいろな人達から教わることは有り難いことばかりです。
また書き足したり直したりするかもしれません。
春の肝臓の働きへのお礼と感謝をこめて。